戸建て住宅の購入を検討される方は、家が経年劣化することを意識していますか?
マンションなどは、修繕積立金を義務付けられているため、修繕について意識せざるを得ません。
しかし、戸建て住宅は、そのような制度がないため、必要性をぼんやりとしか認識していないようです。
あまり言いたくはないのですが、中には戸建て住宅を売っている人の中に、戸建て住宅に修繕は不要だと言いきる人もいるようです。
戸建て住宅は本当に修繕が必要なのか、そしてどれくらいのコストになるのか解説しますので、参考にしてください。
目次
戸建て住宅はどれくらいもつのか。
修繕の話の前に、住宅の寿命についてお話しさせてください。
一般的に日本の戸建て住宅の寿命は、国土交通省の調査によれば、32.8年のようです。それに対して、欧米諸国は、70~140年程度と言われています。

同じ住宅なのにここまで寿命が違うのはなぜなのでしょうか。
その理由としては、以下の要因が挙げられます。
- 気候と環境要因
- 建築材料と工法
- メンテナンスと管理
- 経済的・社会的要因
- 規制と基準
色々とありますが、ここでは特にメンテナンスと管理を考えてみたいと思います。
日本の住宅は、定期的なメンテナンスが行われないことが多く、劣化が進みやすいと言われています。
それ故、住宅の寿命が短くなってしまうのでしょう。
特に、高温多湿という環境や、自然災害が多いことから、建物に対して負荷がかかりやすく、耐久性が低下しやすくなります。もちろん住宅の性能を上げることで、耐久性を高めることはできますが、メンテナンスなしに50年、100年に延ばすことは不可能です。
もし、修繕、メンテナンスが適切に行われたなら、住宅の寿命は確実に伸びることになるでしょう。
修繕に対して意識が低い原因の一つに、修繕の重要性や具体的な内容について、きちんと説明されてこなかったことがあるでしょう。
「壊れたら直せばよい」くらいの気持ちでいる人が多いようです。
ただ、最近ではそれが徐々に変わってきたので、意識も変わっていくでしょう。
さらに、修繕を行っても、金銭的に評価されないこともあるでしょう、例えば、欧米のように中古住宅は高く売れないのが現状です。これも、修繕に取り組もうという意識が生まれにくい理由の一つかもしれません。
戸建て住宅は修繕が必須です
住宅を購入するなら、できる限り長く、安全で快適に暮らしたいと思いませんか?
住宅の寿命が32年であれば、住宅ローンを返し終る前に寿命が来ることになります。何千万円もかけて32年で寿命を迎えるような投資は、無駄遣いのように見えます。
基礎や構造はもう少し長くもつかもしれませんが、建材や設備等は10~20年で老朽化し、壊れていきます。
しかし、修繕を適切に行うことで、必要な機能を維持し、性能を保てば、長く、安全で快適に暮らしていくことができるのです。
また、機能や性能が維持されていれば、住居としての利用価値は継続します。これまでは、木造住宅は20年くらい経過すると資産価値はゼロと評価されてきました。
しかし、中古住宅であっても、機能や性能が保たれているならば、資産価値のある家として適切に評価される仕組みが整いつつあります。
修繕は無駄にならなくなるのです。
是非、修繕に積極的に取り組んでいっていただきたいです。
修繕は、いつ、どれくらいのお金がかかるのか
戸建ての場合、工法や建材、設備などが違えば、必要な修繕の内容が変わります。
もちろん、その時期や金額も変わってきます。
一概にこうすべきというものはありませんが、自分が建てる建物に応じて、個別に修繕計画をたてるのをお勧めします。
認定長期優良住宅の場合は、国土交通省が維持保全計画という修繕計画を策定することを義務付けていますので、それを確認しましょう。
それ以外の住宅は、ご自身でもしくは施工業者または専門家に依頼しましょう。
ここでは代表的な内容について簡単に解説します。
外壁・屋根の修繕費用:
10~15年に一度のメンテナンスが必要と考えられます。
劣化により剥がれやヒビ割れがあると、雨漏り等で水が浸入し、建物には大きなダメージとなるからです。
1回で120~150万円くらいと、やや大きい金額となります。
水廻りの修繕費用:
洗面台、浴槽、トイレ等で、劣化の程度がケースごとに違うため、5~20年くらいと時期にはかなりばらつきがあるかもしれません。
保証期間が終了しても、丁寧に使用していれば、長持ちするようです。
ただ、壊れたら即座に交換が必要となります。
トイレ5万円、洗面台10万円、キッチン70~100万円、浴室50~200万円と、内容により価格がかわります。
床の修繕費用:
床は10年以上経過すると劣化が進むようなので、15~20年くらいでメンテナンスを検討しましょう。
フローリングや畳など種類によって、メンテナンスの方法も異なってきます。
メンテナンスを一部にするか全体にするかによって異なりますが、20~50万円を見込まれます。
内装の修繕費用:
塗装や壁紙について、汚れ、剥がれ、劣化などによりメンテナンスが必要となりますが、5~10年くらいが目安です。
メンテナンスを一部にするか全体にするかによって異なりますが、5~70万円を見込まれます。
設備の修繕費用:
設備ごとに耐用年数がありますので、それを目安に検討してください。
例えば、エアコンや給湯器などは10年前後で故障する場合もありますが、15年以上もつこともあります。ざっくりとですが、10~15年を目安にしてください。
費用は様々で、設備によりますし、清掃等のメンテナンスから交換まで考えると、それぞれ1~30万円と金額に幅があります。
上記のように、部位別に解説しましたが、通常であれば、バラバラと個別にメンテナンスするのではなく、例えば外壁や屋根の修繕にあわせて、内装や床などのメンテナンスもまとめてやることが多いようです。
ただ、給湯器などの設備は。破損してから交換すると日常生活に支障をきたすだけでなく、場合によっては割高な費用になってしまう可能性もあり、こわれる前に交換を検討した方がよいようです。
以上を30年間で合計すると、単純合計で400~500万円のコストがかかるのですが、ネットで調べると500~1,000万円と見込んでいるようです。
修繕費用はいくらをどうやって準備する?
修繕費用を概算することができれば、準備しなければいけない金額がわかります。
仮に、30年で1,000万円の資金を準備するとしましょう。
単純計算で、毎月28,000円の積み立てをすれば、1,000万円たまります。
もちろん、預金金利を考慮していません。
2024年現在で、普通預金が0.1%を超える金利をつける銀行がでてきました。
それを考慮しても毎月の積立額はあまりかわりません。
では、NISAや投資で資金を増やしていくことを考えるのではどうでしょうか。
もちろん、投資が成功すればもっと少ない資金で1,000万円を準備できるでしょう。
しかし、失敗したらどうでしょうか。
また、30年後に1,000万円が必要になるのであれば、リスクをとってもよいかもしれませんが、資金は、10年経過後、バラバラと必要になります。
もし、資金が必要な時期にリターンがマイナスになっていたらその投資金の一部を解約して修繕費にあてられることでできるでしょうか。
可能であれば、マンションの修繕積立金のように、修繕費用は別途準備しておくのがよいでしょう。
お金には色がついていません。
修繕が必要な時期は、往々にして子供の教育費負担時期と重なります。
教育費と修繕費用を比べると、教育費が優先されることが多いと考えられます。
つまり、修繕費用が十分に確保できない可能性が高いのです。
修繕費は早いうちから準備しておこう。
修繕費用は、個別に準備した方がよいと考えます。
修繕費用の準備を行う新しい制度としてつくられた「修繕保証プラス」も
修繕費用の準備のための有力な手段と考えています。
詳しくは、修繕保証プラスの概要をご確認ください。

