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修繕積立金とは?
マンションには、長期間にわたって建物を維持管理するために必要な費用を準備することが国土交通省により義務づけられています。その費用のことを「修繕積立金」といいます。
修繕積立金の基礎知識やいくらくらいの積立金がよいのか目安が提示されています。
しかし、その積立金が何に使われるのか、正確に理解している人は少ないようです。
マンションの修繕積立金は、長期修繕計画にもとづき、共用部の修繕に充てられます。
例えば、外壁塗装工事、屋根・屋上防水工事、給排水管工事、エレベーター・駐車場・駐輪場の更新工事、防災対策工事、環境改善工事等、マンションの機能を維持し、資産価値を維持・向上させるために必要不可欠な工事が対象となっています。
個人で前述の修繕工事の資金をその都度支払うのは現実的ではありません。マンションの修繕積立金は、必要不可欠な制度だといえます。
修繕積立金を使えない場所、それは自分の部屋の中です
前述の通り、マンションの修繕積立金は共有部のみを対象としています。
ただ、マンション購入者が居住している空間(専有部といいます)を修繕するのには利用できません。
具体的には、壁、床、天井、トイレや風呂場、キッチン等の住宅設備、間仕切り、玄関扉の内側の建具などとなります。
つまり、マンションの専有部とは、部屋の内側のことです。
これらの修繕については、原則的にマンションの購入者が負担することとなります。
細かい話ですが、専有部ならどんな工事をしてもよいという訳ではありません。マンションの管理規約上、NGとなっている工事があったり、構造上できない工事があります。
また、窓や玄関の外側など、マンション共有部に属している箇所は、原則工事ができません。どうしても工事を希望するのであれば、管理組合に事前に確認すべきです。
専有部はどれくらい修繕費用が必要か
マンション専有部の修繕費用はどのくらいになるのか。
もちろん、購入するマンションの仕様により変わりますし、設備の種類、経過年数、利用状況によって異なってきます。
ここでは参考までに、戸建てとマンションの区別なく、リフォームにかかった費用について見てみます。

出所:住宅リフォーム推進協議会「2020年度住宅リフォームに関する消費者実態調査 結果報告書」
1年間のリフォーム費用の平均が356万円とかなり金額大きいという印象があります。中古住宅の購入とリフォームを同時に行うケースもあり、純粋なリフォームはもうちょっと少ないかもしれません。
このデータから30年分のリフォーム費用を算出することは困難ですが、専有部のフルリフォームを行う場合、費用は面積により変わるものの、500~1,500万円とするところがありました。
30年程度の期間で考えれば、500万円は覚悟しておいた方がよさそうです。
修繕積立金が足りなくなる3つの理由
① 修繕費用の値上がり
修繕積立金の不足問題があります。
2020年以降、住宅関係の費用は軒並み値上がりしていて、一般的な物価よりも値上がりが大きくなっていました。
今後、資材価格や人件費等は、値下がりはなかなか考えられずむしろ安定的に値上がりすることが考えられます。
それに対して、積立金は運用利回りはほぼゼロなので、確実に不足が発生すると見込まれます。
不足金額は、現在の長期修繕計画に、物価上昇率をかけると概算金額が計算することができます。
② 計画外の工事の追加
法改正や自然災害等、様々な要因で、長期修繕計画にはない工事が追加となることがあります。
これらは事前に予想することが難しいのが問題です。
③ 積立金不足によるもの
積立金の積み立て方法には主に2つのタイプがあります。
「均等積立方式」と「段階増額積立方式」です。
後者の「段階増額積立方式」の場合、工事費用が不足する可能性が高くなると考えます。
また、マンション所有者が、積立を予定通りできない人がいることもあります。
積立不足が解消されなければ、万が一の場合、所有者全員で穴埋めすることになります。

管理組合に確認すれば、滞納金額を確認することができますので、問い合わせてみましょう。
独自に修繕費用を準備しましょう
専有部分の修繕費用の金額と、積立金の不足金額を計算しましょう。そして、それがいつごろ必要となるかを予想しましょう。
例えば、専有部分の修繕費用は500万円、20年後に300万円、30年後に200万円とします。
次に、積立金不足を200万円で、15年後に支払うと予想します。
合計すると、20年後に500万円、30年後に200万円となります。
20年後に500万円の資金を準備するとしたら、毎月約 2万円の積み立てが必要となります。
30年後に200万円の資金を準備するには毎月約 5千円の積み立てが必要です。
合計で2.5万円くらの積み立てをすることが必要です。
住宅購入後にそれだけの積み立てをできる人はいますが、その資金は正確には決めている人は少ないですが老後のための資金です。
この資金を修繕に使ってしまうと老後資金が不足しまいます。よって、修繕費用を、修繕積立金以外に別途用意しておく必要があります。
修繕費用の準備を行う新しい制度としてつくられた「修繕保証プラス」も修繕費用の準備のための有力な手段と考えています。
詳しくは、修繕保証プラスの概要をご確認ください。

